ビーチの安全標識の意味、わかりますか? オーストラリアでは多言語で表記されるべき?

オーストラリアでは、海岸での溺死者の約半数が外国生まれであることから、安全標識を他の言語で表記するよう、アデレード大学の日本人研究者が呼びかけています。

A safety sign reading 'dangerous current' pictured on beach

A new study by a University of Adelaide researcher has recommended safety messages in the languages of people who are at most risk of coastal drowning. Source: Supplied

Key Points
  • ビーチの安全標識は、明確なメッセージと警告を送るようデザインされているはずですが、多くの海水浴客には明確でないことがわかりました
  • 日本人研究者は、海水浴客へのメッセージを改善するために、多言語で表記するよう呼びかけています
オーストラリアおよび海外出身の海水浴客のほぼ半数が、標準的なビーチの安全標識を誤解している、または読んでいないことが、アデレード大学の最新の研究で明らかになりました。

元ライフセーバーで、ジャパニーズ・スタディーズの講師である柴田勝来氏は、現在ビーチで使われている安全標識がオーストラリア人ならびに外国人によってどのように解釈されているのか、調査を行いました。

この研究によると、海外出身の海水浴客の約50%、オーストラリア出身の海水浴客の約40%が、見慣れないビーチの安全標識をほとんど読んでない、または全く読んでいないことがわかりました。

『常にフラッグ(旗)の間を泳いでください』という意味を持つフラッグに関しては、海外からの旅行者や居住者の30%以上は、『泳ぎが上手な人だけがフラッグの間に入るべき』と誤解していると、柴田さんは説明します。

また、『フラッグがなければ泳がない』という一般的な指示については、ビーチを訪れるオーストラリアと海外生まれの人のほぼ半数が、『水に入ったり、遊んだり、歩いたり、立ったりすることはできる』と解釈していると指摘します。

「実際の意味は、まったく入ってはいけないのです」。
柴田さんは、海岸で溺れる危険性の高い人々の言語でメッセージを記載するなど、標識の改善が必要であると述べています。

「全国海岸安全レポート2022」によると、2012年から2022年にかけて、海岸での溺死者数は939人で、その約半数が海外出身の海水浴客であることがわかりました。

柴田さんはシドニーでライフセービングの講習を受けた際、標識の言語をめぐる混乱に気づき、言語学の博士号を学んでいたこともあり、さらに調査をすることにしました。

「ライフセーバーやビーチパトロールが使う言葉には何かがあると思ったのです」。

柴田さんによると、海外出身の海水浴客の約半数が、「high surf」「shore dump」「bluebottle」など、ビーチセーフティ用語を理解していないと言います。

また、英語を話さない人へのメッセージ性を高めるために、クラゲなどの危険性を記号だけでなく写真で示すこと、危険性を明確に説明すること、色をはっきりさせることを推奨しています。

サーフ・ライフセービング・オーストラリアのシェイン・ドー氏は、これから来豪する人々に、ビーチにおける危険性について認識を高めてもらうため、どのような方法が良いのか、注意を払う必要があると、SBSニュースに語っています。

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Published 2 November 2022 12:07pm
By Kath Landers, Jessica Bahr
Presented by Yumi Oba
Source: SBS


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