コロナ禍での転職

COVID-19 以前から、オーストラリアの中高年労働者は年齢差別と闘ってきました。オーストラリア人事研究所の2018年の調査では68%の雇用者が50歳以上の労働者を雇用することに消極的であると答えています。

Mature student

Source: Igor Alecsander

 


キーポイント

  • ブラザーフッド・オブ・セイントローレンスの調査によると、パンデミックにより、失職、または労働時間を削減された中高年の求職者は3割に上ります
  • 年齢差別は、COVID-19の以前から起きており、3分の2の雇用主が50歳以上の労働者は雇いたくないと答えていました
  • 45歳から70歳の求職者は、国が出資するスキルチェックポイントプログラムを利用して、キャリアの転換を図ることができます

クリエイティブエージェンシー、「シンカーベル」の創設者、アダム・フェリエさんは、中高年者の雇用に消極的になるのはコストが原因であることが多いと述べています。
安いオプション、すなわち経験の少ない人を選ぶのです。
オーストラリア政府のデータによると、フェリエさんの業界における労働者の平均年齢は38歳。

ブラザーフッド・オブ・セイントローレンスが昨年6月に発表した報告書によると、51歳から65歳までの40万人近くのオーストラリア人がCOVID-19の影響で労働時間や雇用に影響を受けていると推定されています。

非営利の雇用・訓練機関であるVERTOの最高経営責任者ロン・マックスウェルさんは、政府が資金を提供するスキル・チェックポイント・プログラムを通じて、中高年の求職者がキャリアチェンジのために再訓練を受けるための支援に奔走していると述べています。
彼らが持っている資格は古くても、スキルや知識は雇用者にとって非常に価値のあるものです。
Masked meeting
Source: Getty Images/AzmanL
VERTOのスキルチェックポイント・プログラムは、オーストラリアのACT、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州の3つの州で実施されており、45歳から70歳までの失業者やリストラされる可能性のある労働者を対象にしています。

マクスウェルさんは、年齢差別に加えて、文化的、言語的に多様性のある中高年の応募者は、言語の壁にぶつかる傾向があることを認めています。
高いスキルを持っていても、残念ながら、雇用者にそれを認識してもらえない場合もあります。
マクスウェルさんは、雇用の可能性を高めるために以下を提案しています。

  1. 地元で需要のある業界を探す
  2. あなたの文化的価値観と一致する企業を探す
  3. 海外で取得した資格がオーストラリアで認められる機会を探す
  4. 業界でのスキルアップ
日本での赴任を終えて帰国する際に国境が閉鎖された57歳の元自動車会社役員、レイモンド・ハンさんにとって、COVID-19の中での就職活動は、困難なものでした。

ハンさんは3月20日に帰国する便を予約してマレーシアを訪れていました。
事態は一転し、その便が欠航になってから、ずっと足止めを食らっています。
COVID-19により、ハンさんはオーストラリアの面接に出席することが物理的に不可能となり、既成概念にとらわれず考えることを余儀なくさせれ、オンラインでビジネス&リーダーシップコーチになることを決意しました。
Raymond Han
Raymond Han Source: Supplied
こんなに長く続くとは思っていませんでしたが、時間が経つにつれ、代替案が必要になりました。
マクスウェルさんは、中高年の求職者はコントラクターとしてサービスを提供しながら、次のキャリアの機会を探ることを推奨しています。これにより、将来の雇用主に仕事への意欲と能力を示すこともできるからです。
それがたとえ週に数日であっても、すでに何かをしていれば、簡単に移行することができます。
ハンさんは、世界的なパンデミックの中で変化するビジネスの環境に適応するため、その理解を深め、新しいスキルを身につけるため、精力的な研究と独学を行ってきました。
同じことを続けていても、違う結果を期待することはできません。私たちは、より良い方向に変化しなければなりません。
ハンさんのような回復力と自己改革する勇気は、フェリエさんが昨年、中高年を対象に行った8週間の有給インターンシップで目の当たりにしたものです。  

その反響は圧倒的で、3つのインターンシップには何百人もの応募が殺到しました。

フェリエさんによると、一つ目の基準は候補者と派遣会社がお互いに利益を得られるかどうか。

また以下の特徴にも注目しました:

  • スキル
  • 経験
  • 対面の面接で気が合うか
エージェントが得意とする分野で、どう企業とマッチングするか、試してみてください。
Job seeker
Source: Getty Images NicolasMcComber
パンデミックにより、現在、Thrive@55 のインターシップは延期されています。

かつては刑務所で働く矯正心理学者であったフェリエさんは、30代前半になって初めて広告業界に参入しました。 

フェリエさんは、中高年者は自身をしっかりとアピールできるストーリーがあれば、パンデミックの中も職を見つけられる、と語ります。
その経験がどのように通用するのか、あるいは新しい分野にどのように応用できるのか、点と点を結びつけて示すのは彼ら次第なのです。
ハンさんにとっては、7ヶ月以上の準備期間を経て、コーチとしての新しいキャリアが始まったところです。

彼は、4回目の有給休暇を利用して、3月までに帰国できることを願っています。
Hired
Source: Getty Images/Peter Dazeley
お住まいの地域のスキルチェックポイントプログラムの詳細については、をご覧ください。

精神的なサポートが必要な場合は、ビヨンド・ブルーの無料コロナウイルス・メンタル・ウェルビーイング・サポート・サービス(電話:1800 512 348)に電話してください。

主に無料の言語支援を利用するには、翻訳・通訳サービス(13 14 50)に電話して、ご希望の組織に転送してもらうように依頼してください。

 

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Published 4 February 2021 5:15pm
By Amy Chien-Yu Wang
Presented by Yumi Oba


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