オーストラリアでのオンラインショッピングのリスクとは?

オンラインショッピングは、利便性や節約など、消費者にさまざまなメリットをもたらすと同時にリスクも伴います。合法的に個人情報を収集する小売業者もいれば、中にはEコマースの人気に便乗し、弱者を標的にする詐欺師もいます。

Overhead View Of Young Woman Doing Online Shopping With Laptop

Although technology has made shopping easier, it comes with risk Source: Moment RF / Oscar Wong/Getty Images

ハイライト
  • Eコマース市場の拡大に伴い、オンラインショッピング利用者が詐欺に遭うケースが増えている
  • 多くの小売業者は、マーケティング目的で顧客の個人データを収集するために、ロイヤリティプログラムの割引を提供している
  • ハッカーは利益を得るため、これらのデータをブラックマーケットに売っている
  • 偽のオンラインショップを設置し、金やアイデンティーを盗む詐欺師もいる
オンラインショッピングは過去10年間で着実に増加してきましたが、COVID-19パンデミックのロックダウンにより、爆発的な急増を記録しました。

によると、オーストラリア人のほぼ5人に1人が、少なくとも食料品の一部をオンラインで購入していることがわかりました。

また、別の研究によると、パンデミックの期間中、スーパーマーケットのオンラインショッピングだけでも利用者がほぼ3倍になったそうです。

タスマニア大学ビジネス・経済学部マーケティング学のシニア講師、ルイーズ・グリマー博士によると、パンデミック以前から大手には優れたオンラインショップがあった一方で、小売業者は既存のデジタルプラットフォームやサービスの改善を余儀なくされました。

「パンデミック以前、オンラインショッピングを利用していたオーストラリアの消費者は約40%でしたが、パンデミックを経て、オンラインでの買い物が定着したいま、この数字は著しく増加し、現在では約50%の消費者が定期的にオンラインで買い物をしています」

多くの小売業者がウェブサイトを充実させ、顧客サービスや配送方法などを改善し、ビジネスを維持しようと務めました。

その一方で、オンラインショッピングの普及で注意すべきことも増えました。

オンラインショップのウェブサイトは、セールやクーポン、マネーバック・インセンティブ、スペシャルオファーなどの特典を通じて、ディスカウントを提供することがありますが、その代わりに消費者は個人データを提供する必要があります。

これは個人情報を渡すだけでなく、オンラインでのあなたの行動が監視される可能性も意味します。
個人情報の一部を提供する必要があり、当然、ウェブサイトでの行動が追跡されます
Dr Louise Grimmer, Researcher and Senior Lecturer in Marketing at the University of Tasmania’s College of Business and Economics
Blue silhouette hacker
Source: Getty / Getty Images
顧客情報および購買習慣に関するデータを含むデータベースは、企業が合法的なマーケティング目的のために使用することができます。また、利用規約で認められていれば、合法的に収益化したり、第三者の企業に販売したりすることも可能です。

しかし、サイバー犯罪者やハッカーは、これらの情報をブラックマーケットに売って、利益を得ようと、目を光らせています。

偽のオンラインショップとなりすまし

オンラインショッピングの最大のリスクのひとつは、詐欺師が金や個人情報を得るために設置する偽のオンラインショップです。

オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)のデリア・リカード副委員長によると、近年、ソーシャルメディア上の偽のショップが目立つようになったと言います。

リカード氏によると、オンライン詐欺師は、企業のロゴを使用するなどしてなりすましていることから、不正なウェブサイトを特定することがますます困難になっていると警告しています。
激安価格や驚くような特典のある製品を宣伝する傾向があります
「多くの場合、オーストラリア国内の会社を装い、盗んだオーストラリアのABN番号を使用しています」

サイトがワイヤートランスファー(電信送金)、暗号通貨、バウチャーなど、一般的でない支払い方法を要求してきたら、詐欺の可能性が高いとリカードさんは説明します。

万が一詐欺に遭った場合、すぐに銀行に連絡するよう、リカードさんは勧めています。
詐欺に遭ったことに早く気づき、銀行に知らせれば、それだけ自分の身を守ることができるのです
Delia Rickard, ACCC Deputy Chair
また、オンラインショッピングの需要の増加により商品の配送が遅れることが多々あり、顧客は詐欺にあったのか、見分けることが難しくなっているとも指摘します。

「サプライチェーンの問題なのか、オンライン詐欺なのか、見極めるのがますます難しくなっています。商品が届くまでの時間が長くなっていることに、慣れてしまっていることも問題です」

詐欺に遭ったときの対処法

ネット詐欺の多くは、名前、年齢、住所などの個人情報を盗もうとするものですが、運転免許証やパスポートの番号なども、詐欺師にとって非常に魅力的な情報です。

これらの情報は個人になりすますためによく利用されます。

メルボルン大学コンピューター情報システム学部のシャントン・チャン教授は、「名前、住所、生年月日、そして電話番号さえわかれば、金融機関に行ってあなたになりすますことができる」と説明します。

「これは公的機関が、あなたの身元を特定するために使う方法です」

リカードさんは、万が一詐欺に遭い、個人情報を渡してしまった場合、できるだけ早くに連絡し、詐欺を報告し、助けを求めるよう呼びかけています。

また、オンラインショッピングをする人は、定期的にスキャムウォッチのウェブサイトや をチェックし、よくあるオンライン詐欺の手口に注意するよう、述べています。この資料は他10言語でも提供されています。

また、個人情報の盗難に対抗するために政府が出資している団体、に連絡することもお勧めです。
SCAM CONCEPT
Scam Source: Getty / Getty Images
グリマー博士は、オンラインショッピング利用者に、支払いや個人情報を渡す前に、そのサイトが信頼できるかどうかを再確認し、自衛策を講じるよう勧めています。

「ブラウザで小売店のURLを表示したときに、小さな南京錠のアイコンが表示されていることを確認してください。また、ウェブで検索して、有名なショップであることを確認することもお勧めです。口コミや評価も参考になります」。

オンラインショッピングが初めての人は、家族や友人に相談し、利用するショッピングプラットフォームが信頼できるものかどうかを確認することもお勧めです。

警察に連絡することは必須ではありませんが、詐欺師がオーストラリアに拠点を置いている場合は、警察に連絡することで解決できる場合もあります。


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Published 20 October 2022 6:18pm
By Delys Paul
Source: SBS

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